春日大社          (3) 万燈籠(まんとうろう)
春日万燈籠


春日大社では数々のお祭りが行われています。
そのなかでも万燈籠は静かで幻想的な雰囲気。

    いちどは訪れてみたくなりますよ。

本殿、回廊だけでなく、広大な境内の約3000もの燈籠すべてに灯が
ともされるのです。

いまは2月の節分の日(節分万燈籠)と8月14日・15日(中元万燈籠)の年2回です。

春日万燈籠
     その日たまたまこのあたりに来られた方はビックリすると思います。


  おおぜいの子供たち、大人たちが真っ暗な参道を手に提灯や懐中電灯をもって
  歩いていくんですから。

     「スピリチュアルな感じ、そしてふるさとのような感じ」は日本人でなくとも
     何とはなしに感じられるようです。

    みんなで境内の木々の香りのなか広い参道を話しながら歩いていくので、
    こわくはありません。 遠くに鹿の鳴き声が聞こえたりもします。

      森林浴にきたという感じですね.

   ただ違うのは両脇の大小の燈籠にすべて灯がともされていることです。
   献燈紙という薄紙が貼られているので、小さな障子の向こうから淡い光がもれてくるような趣です。


   前もって献燈を申込済ですと、もう少し早い時間に社頭で舞楽奉納を見学できます。

      雅楽の調べがゆったりと夕暮れのまわりの景色にとけこんでいきます。

 思わず一瞬寝てしまうような、気が遠くなるような、すうっとした感じのなかで進行していきます。

  真夏の中元万燈籠のときは、空が暗くなるにつれ、篝火(かがりび)と燈籠の灯が徐々に浮かび上がり、
  節分万燈籠のときは、人々の白い息と燈籠の明かりが寒気とともに身にしみ入るようです。


   浄闇のなか、本殿の朱色の柱がほのかに浮かび上がり、回廊に沿って釣(つり)燈籠、
   足下の通路に沿って小さなろうそくがきれいに並んで光の道筋をつくってくれています。

 光のなかに
 
    ことばを尽くして情景を説明しようと思ってもたったこれだけ、
           たくさんの明かりの合間を歩いて 帰るだけなんですが、

             それだけでない何かがずっと心に残ります。

    元形成外科医の宮司さんのお話によりますと

  もともと祖先をお迎えするための献燈、浄めのための火だといわれていますが
 
    それだけでなく、昔の日本人はその燈籠の光のなかに祖先や神を
    イメージしたのだろうとのことです。

  ですから単なる物質的な光ではありませんよと。

     光を見たときに無意識にそういう世界を自分もイメージしているので、

     静かな感動があるのかもしれませんね。

春日大社・林檎の庭
  
 2月の節分万燈籠のときには社務所で、 

 「立春大吉」と書かれた札のついたアカネコヤナギの小枝のお守りが売られています。

白いふわふわした部分と枝の先にはえんじ色のつぼみがあり、きれいで元気な枝です。

 それを持ち帰って見ているうちに、やまと言葉…、
          のりとなどで聞いた古い昔の日本語…の抑揚が

 そこはかとなく聞こえてくるような心持ちがしました。


    *  *  *

 バスで行かれるときは「春日大社本殿」がいちばん本殿に近いのですが、
「春日大社表参道」か「大仏殿春日大社前」で降りて参道を歩かれるのをオススメします。
8月は奈良市内の他のイベントがありますので夜は混雑します。


・春日大社 http://www.naranet.co.jp/kasugataisha/  (世界遺産)

・奈良交通 http://www.narakotsu.co.jp/index.html


春日大社御本殿と篝火(かがりび)


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