貴船神社
本社・参道
     本社・参道

 鞍馬寺・奥の院からの急な坂道を降りると貴船川の清流です。
 夏でも涼しげな所です。

 この貴船川は賀茂川(鴨川)の源流の一つです。鞍馬山と貴船山に挟まれた
 谷あいを南へと流れていきます。

 山の樹々は季節ごとに色合いを変え、春夏秋冬それぞれに趣があるところです。
   まだ真夏と初夏しか行ったことがありませんが…

 新緑の季節は杉や檜やモミジの鮮やかなグリーンが眩しいほどです。

 貴船神社は川沿いに下流から本社、結社(中宮)、奥宮と1kmほどの間に
 並んでいます。

 本社は背景の緑に映える赤鳥居から、両側に春日灯籠が並ぶなだらかな坂道を
 登って境内へと通じます。

 入ってすぐの桂のご神木。樹齢400年。その枝ぶりは本当に勢いがあり、
 見事です。

 貴船はもともと気生嶺(根)とも書かれ気の生ずる根源の場所という意味を
 あらわしていたそうです。

 たしかに このあたりの樹木は生き生きとして、樹齢400年から1000年近い
 ものまで、あちらこちらで大木となっています。
 その梢を飛び交う野鳥の声も ひときわ元気に響き渡って、なごませてくれます。

 境内のすぐ横には貴船山が迫り、その石垣の間から、ずっと昔から枯れること
 なく 清水が湧き出しています。

 この神社には10年以上前に一度来たことがありました。その頃に比べると、
 お参りする人たち、湧き水を使った水占いをする人たちで境内はにぎやかに
 なっているようです。
樹齢400年の桂(本社)        樹齢400年の桂(本社) 
奥宮
奥宮
  奥宮へ

 貴船川に沿って上流にさかのぼると、杉木立ちの参道の一番奥に奥宮が
 あります。
 湧き水の手水をつかって朱塗りの門をくぐると、すっと広がった空間に拝殿、
 本殿、船形石、そして小さな社がいくつか、ポツポツと…。

    静かで神秘的な雰囲気がただよっています。
  そして同時にずっとここにいたくなるような心地よさも感じます。
 実際、ベンチにずっと座って静かに談笑している人をちらほら見かけます。

 平安時代中期に本社が現在地に移転するまではこの奥宮が本社でした。

 そして創建はというと、神代の昔、貴船山中の鏡岩に降臨したという伝承があり、
 また神武天皇の母・玉依姫命が黄船で淀川をさかのぼり、さらに鴨川(賀茂川)を
 さかのぼって現在の奥宮の地に至り、その地の水神をお祀りしたという伝承が
 あります。 (少なくとも約1300年以上前とのことです)

 奥宮の本殿の下には気がわきいづるところ(龍穴)があるという言い伝えも
 あります。

 この貴船神社に来るとなんとなく気持ちよくなり、元気になるような気がしますが
 もしかしたらそういうところに理由があるのかもしれませんね。

貴船川の清流(鞍馬山西門前)
貴船川の清流
(鞍馬寺西門前)
  都人の想い

 平安の昔から都の人々はいろいろな願いや悩みを抱いてここを訪れたようです。

 そしてその想いを受け取って、湧き出でる清水のように自然のポジティブ・
 エネルギーで包み込み、またもとの都へと、日常の生活へと送り届ける、
 そういった役割を、ここ貴船の社は果たしていたのかもしれません。

 数多くの和歌が 『新古今和歌集』 『千載和歌集』などの和歌集に残され、
 『梁塵秘抄』にも貴船の記述が残されています。

 そのなかに傷心の和泉式部が貴船を訪れ詠んだ歌に貴船明神が返歌をしたと
 いう説話も残されています。

   物おもへば沢のほたるもわが身より あくがれいづる魂かとぞみる

   奥山にたぎりて落つる滝つ瀬の 玉ちるばかり物なおもひそ

 物思いに沈んでいると沢のホタルがわが身から抜けでる魂のようだという歌に
 対して、滝の水玉が散るほどに物思いに沈まないよう…というやさしい返歌です。
  (結社の歌碑より)


    奥社のご祭神について

 奥社のご祭神は高おかみ神、または闇(くら)おかみ神という水の神ですが、
 境内に末社がいくつかあります。

 そのなかの吸葛社の味すき高彦根命(あじすきたかひこねのみこと・すき=金へんに且)
 は奈良・葛城の賀茂氏のご祭神と同名です。

 また日吉社の大山咋神は松尾大社と同じ秦氏のおまつりする神です。

 ご祭神の名が古代の氏族の流れをあらわすことがよくあります。
 葛城の賀茂氏が木津川に沿って淀川に至り、鴨川をさかのぼって賀茂社を創建したと
 いわれていますが(異説もあり)、さらに貴船川に入ってここに落ち着いたのでしょうか。

 玉依姫が黄船に乗って川を上ってこの地に着いたとする伝承との関連もあるかも
 しれませんね。

 そして秦氏の流れは賀茂氏と重なることもあるのですが、ここに松尾大社と同じ神が
 おまつりされていたということは、秦氏もこの地に関係していたのでしょうか。

 また、松尾大社といえば近くに木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと:別名・酒解子神)をおまつりする梅宮大社があるのですが、ここ貴船神社の近くの末社にも梅宮社があるというのも偶然なのかどうか…
 機会があったら調べてみたいと思います。

貴船川の清流
    貴船川の清流

手前は高野川・その向こうに賀茂川
手前は高野川
その向こうに賀茂川



下鴨神社・糺の森
下鴨神社・糺の森
 糺(ただす)の森へ

 帰りに叡電出町柳駅を降りると賀茂川の向こうに沈みゆく夕日が見えて、そこからすぐの
 下鴨神社 (賀茂御祖神社)・糺の森に行ってみたくなりました。

 糺の森では瀬見の小川に沿って、5月3日のやぶさめ神事にそなえて竹の柵がしつらえて
 ありました。

 そしてせせらぎの上流、ならの小川と手水舎で手を浄めて、朱色の楼門の前で舞殿に
 向かってお参りして帰りました。

 ちょうど明かりが灯った提灯に浮き出た二葉葵の神紋を見て思い出しました。
 ここは鞍馬や貴船川の水が流れくるところだったんだと…。

  帰りにこの場所へ寄ってみてよかったです。
 心の奥にもほんのりと明かりが灯ったような思いで家路につきました。


貴船神社・奥宮境内
 貴船神社・奥宮境内
 
 ・貴布禰 總本宮 貴船神社 http://kyoto.kibune.or.jp/jinja/

                   叡山電鉄 鞍馬線 貴船口駅より徒歩30分。
                   春〜秋にかけ京都バス運行。
 
   
・ご祭神    平安時代、特に祈雨・止雨の神として篤い崇敬を受けて
            いました。

      ・本社 高おかみ神 (たかおかみのかみ) 
               火の神、かぐつちの神から生まれた水神(日本書紀)
      ・奥宮 高おかみ神
            (または同神といわれる)闇おかみ神(くらおかみのかみ)
      ・結社(中宮) 磐長姫命
 
                    (※おかみは雨かんむりに口3つの下に龍)



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