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鞍馬寺の入口、仁王門を入ると杉の木の生い茂る登り道の始まり。 線香の香りが漂いどこか神聖な感じです。 しばらくいくと由岐神社。 由岐神社 940年(天慶3)御所にお祀りされていた由岐大明神をこの場所に遷して北方の鎮護、 鞍馬寺の鎮守社として創建されました。 有名な鞍馬の火祭はこの遷宮の時の篝火や松明の行列の儀式を今に伝えるものです。 千年以上経った今でも…?! こちらの参道でまず驚くのは3本の杉の大木、樹齢約千年といういかにもご神木という 感じ。 拝殿の横にはきれいなシャクナゲの花が咲いていました。 |
九十九折り参道を本殿金堂へ この由岐神社を過ぎたあたりから、なんとなく体のだるさが取れて、気分も軽く 楽しげに なってきました。 ここの場の雰囲気でしょうか… たくさんの木々の間を斜めに道は続きます。元気のいい野鳥の声が あちらこちらから… チチチ。チチチ。チチチ…と リズミカルな3連符で、会話を楽しむような鳴き声。 モミジを始めとして若葉の緑が美しいです。 まるで、淡く絵の具を溶いた水彩画のよう。 そのあざやかに輝く黄緑色は頭上の木々から谷あいの向こうまでずっと続きます。 天気がよく晴れ渡っている日ですので、登り行く自分のまわりは淡いグリーンの セロハンごしに陽光を浴びているようです。 それでいて、ぜんぜん暑くありません。爽やかな、ほどよい気温です。 |
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本殿金堂と 雲珠(うず)桜 本殿前庭の敷石 三角形の象徴図形が 描かれています。 |
清少納言が『枕草子』で「近うて遠きもの」と表現したという「九十九折り参道」。 でも今はきれいに整備されているので、ゆっくり登れば大丈夫です。 道ばたには何というのかきれいな野の花が咲き、あちこちの大木となった 椿の木の根元のまわりには椿の綺麗な花が散らばっています。 木漏れ日のまだら模様のなかに赤く彩りを添えてくれています。 訪れた人たちは、連れだってゆっくりと登っていきます。ときどき休憩所や お堂の端、階段の端などにスズメが電線に留まって休むように座る人も。 年配の人もいますが、家族連れやカップルも多いです。 以前に吉野や熊野に行ったことがありますが厳しく暗い印象がありました。 ここ鞍馬も、確かに古代からの道場のような厳粛な場所ではあるのですが、 どこか温かくて優しい感じがするのです。 |
厳しさをもって訪れる人にはそのように、自然を楽しみゆっくりここのエネルギーで リフレッシュしたい人にはそれなりに包み込んでくれる雰囲気があります。 なぜだかはわからないのですが… 本殿金堂に着くとそこからは比叡山の方向なのでしょうか、 うっすらと遠くの山々の景色が眺望できます。 本殿のまわりはうず桜(鞍馬山の桜の総称・八重桜でしょうか)が満開です。 4月の終わりに桜が見られるとは思いませんでした。 |
木の根道 岩盤が固いため、樹齢千年近い杉の根が地表を這って伸びています。 僧正ガ谷・不動堂 このあたりで天狗から牛若丸が兵法を習ったといわれ、すぐ前に「義経堂」があります。 |
本殿から、奥の院への参道 ここから、霊宝殿、木の根道、大杉権現社、僧正ガ谷(不動堂、義経堂)、 奥の院魔王堂への道は、思ったほどは大変ではありません。 ただそれぞれの場所が、スッとするような気持ちのいい場所なのです。 エネルギー・スポットなのでしょうか。静かで柔らかくてどこか力強い… 心と体に温かいものが満たされてくる…そんな感じがします。 古代からの霊場、修行場として有名であり、そういった趣は今もなお残っています。 宗教家だけでなく、合気道の塩田剛三氏が昭和初期に植芝盛平翁との稽古に 励んだ地ともききます。 源義経(牛若丸・遮那王)は僧正ガ谷の不動堂のあたりで、天狗に兵法を習った という…、ここなら義経のような武将が輩出してもうなづけます。 山道、樹々、鳥、風、太陽、月、すべてが稽古相手になり、親友になれそうな場所です。 少々、坂道は大変ですが、一度は訪れてみてはいかがでしょうか? 奥の院への参道沿いのそれぞれの場所は、深呼吸をしてずっと座っていたくなる ような清々しさがありますよ。 |
奥の院魔王殿 魔王殿の奥にはたくさんの大きな岩に囲まれた堂宇があります。 大昔に魔王尊が降臨されたとする所(磐座・いわくら)です。 驚いたことにこのあたりの岩はウミユリ、フズリナ、サンゴなどを含んだ石灰岩で二億数千万年前のもの とのこと。 赤道のあたりの浅い海底の珊瑚礁がプレートにのって移動してきたものといわれています。 鞍馬山の地質はかなり古く複雑に入り組んだ地層でなりたっているそうです。 大昔海底であったところが、今の日本の位置まで移動して盛り上がり鞍馬山となった?! 牛若丸の修行の話、今に続く鞍馬寺の創建…ここなら数々の物語が生まれても不思議ではないと思いました。 宝物殿で拝観した平安時代後期〜鎌倉時代の仏像は、思ったよりも優しい印象でした。 古代からずっと、このあたりの深山はそのような優しいエネルギーで人々を見守ってきたのでは… そんな思いをいだきました。 奥の院を過ぎると急な下り坂。谷あいの奥からは貴船川の清流の音が聞こえてきます。 何度もここを訪れる方の気持ちがホントにわかりました。 |
奥の院・魔王殿 由岐神社・本殿 |
・鞍馬寺 叡山電鉄鞍馬線・鞍馬駅より徒歩3分 京都市左京区鞍馬本町1074番地 ・奈良・唐招提寺の鑑真和上の弟子、鑑禎(がんてい)上人が770年(宝亀元) 京都に霊山ありという夢のお告げ、鞍を負った馬の導きで今の鞍馬山へ。 毘沙門天をお祀りする草庵を結びました。 ・平安初期の796年(延暦15)、東寺を造る役目にあった藤原伊勢人 (いせんど)がやはり夢に顕れた白馬の導きで鞍馬山へ。千手観世音菩薩と その前にお祀りされていた毘沙門天をあわせ祀るお堂を建てて平安京北方守護 の寺としたのが鞍馬寺の始まりです。 ・当初は真言宗、のち長らく天台宗寺院。昭和24年から鞍馬弘教総本山。 ・650万年前、護法魔王尊が人類救済の目的をもって奥の院に金星から降臨 したという伝説があり、現在の教義は独特のものがあります。 月…愛…千手観世音菩薩。 太陽…光…毘沙門天王。 力…大地(地球)…護法魔王尊。それらが三身一体となったのが尊天であると…。 表現が宇宙的ですね。そして本殿や不動堂の前にはインドのマンダラ(シュリ・ ヤントラ)のような象徴図形の敷石があり、その歴史や根源の深さが偲ばれます。 ・由岐神社 http://www.yukijinjya.jp/topframe.html ご祭神 大己貴命(おおなむちのみこと別称:大国主命) 少彦名命(すくなひこなのみこと) 相殿 八所大明神(はっしょだいみょうじん) 京都三大奇祭の一つ鞍馬の火祭(10月22日)はこの神社の例祭。 「割拝殿」という珍しい拝殿は1607(慶長12)年、豊臣秀頼の再建。 登り階段の途中に大杉他、小さな祠の摂社がおまつりされています。 神社名の由岐は、祭礼・占術の氏族、壱岐氏(雪、由岐とも表記された)から 由来したのかもと思ったのですが、 弓矢を入れる靫(ゆき)から来ている とのことでした。 御所からお迎えしたご祭神は八所大明神と思います…。 |
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